2008年5月29日木曜日

KRUG

シャンパーニュと語るときに、熱烈なファンがいるシャンパーニュ・メゾンが「KRUG」です。シャルドネ種100パーセントでつくったブラン・ド・ブランと呼ばれるシャンパーニュで、シャンパーニュの帝王と呼ばれるほどの気品が高くリッチな味わい、ジュエリーにも例えられるきめ細やかな気泡のクリーミーな口当たり、香りたつアロマと酸味のバランス、いずれも最高峰に位置します。KRUGの生産量は年間4万ケースほどで、決して大きなメゾンというわけではありません。シャンパーニュ地方では少ないオークの小樽による発酵を行い、樽ごとの細かい管理による長期熟成のシャンパーニュ作りを貫いています。すべての製品が、手間のかかるプレステージ・シャンパーニュとしてリリースされていることも特徴です。また、畑は小さな区画ごとに分けられ、各区画で収穫されたぶどうからどういうキュヴェができるのかを把握して、ブレンドのバランスをとることに役立てています。熟成期間も非常に長く、たとえば法律で瓶熟成が15ヶ月以上のところを、グランド・キュヴェで最低6年かけて製品化するのがKRUGです。KRUGの歴史は、1843年からはじまりました。もともと「ジャクソン」で働いていたドイツ・マンハイム生まれのヨハン・ヨーゼフ・クリュッグさんが自分のメゾンとしてフランスに設立。伝統的な製法を受け継ぎつつ、こだわりぬいたスタイルのシャンパーニュとして人気を得るようになりました。1971年、5代目当主レミ氏のときに特級畑「クロ・デュ・メニル」を購入し、シャルドネ種100パーセントで手がけるブラン・ド・ブランのシャンパーニュを畑と同じ名前でリリースするようになって、一段とその名声を高めました。凝縮感のある魅惑のテイストには、6年から10年もの熟成期間が必要で、これが帝王の名前にふさわしい、エレガンスに満ちた味になる理由です。こうした特別なシャンパーニュは、これを主役にしてゆっくりと楽しむのが正解でしょう。休みの日であればちょっとしたおつまみを用意して、明るいうちからゆっくりと味わうのが最高の贅沢です。

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